11-25.11.15『ウーティで出会った臭いと匂い』

このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼（いまは元夫）と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

食べ物が安くておいしかったマイソールにさよならをして、
世界遺産のニルギリ登山鉄道に乗るべく、インド人の新婚旅行先としても有名らしいウーティへ向かう。

標高2200mのウーティへの道のりは険しく、くねくね道をぐんぐん進んで行く。
途中、秩父を彷彿とさせるような森に出会い、降りたら山菜そばが待っているのではないかと思えたほど。

そして降り立ったウーティはめちゃくちゃ寒い！
さらにウーティに着いて待っていたのは山菜どころかノンベジレストランだらけ！！
至る所に魚屋があったり、鶏が干されていたり、レストランにはビーフまであったり。

ベジ生活の私たちには逆に過酷な環境…。この海もない場所で何故魚？店先に並ぶ魚から、かなりの異臭。
ノンベジレストランには絶対行きたくない…。

しかも来るまでの道はすごく素敵だったのに、街自体に自然はほとんどなく、そして目的だった登山鉄道のチケットもとれず(涙)

気を取り直してレストランを探すも、マイソールで美味しいものばかり食べていたから、ドーサを食べてみたけれど残念な感じ。
マイソールより高いお金を出して美味しくないものを食べる気もせず。

どうしようと肩を落としているところにふわっといい香り！！
パン屋さんだ！！
インドはパンも残念率が高いのだけど、この香りなら大丈夫なはず！

食べてびっくり。
ふわふわでおいし～♫
たまごを買ってゆで卵にし、はさんで食べる。
うん。レストランで食べるよりおいしい。
明日の朝もこれだな。

あとはコーヒーとチョコレートが有名みたいなので購入。
今日だけで一ヶ月分くらいのチョコレート食べた（笑）
ウーティはチョコレートとパンで乗り切るぞー＼(^o^)／

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「食べ物が安くておいしかったマイソール」今までの日記ではそんなことは一つも言わず、沈んだ毎日を過ごしていそうだったのに。
私の記憶の中でも、マイソールは食べ物が美味しかった場所。いつになったらその話題が出るんだろう、と思っていたら、マイソールにいた時には良かったことの思い出なんてほとんど書かれていなかった。

ウーティのチョコレートは確か綺麗に小分けなんてされていなくて、ガサっとブロックで袋に入っていたのを食料がわりに食べていた記憶。
インドは本当に場所によって全く違う国のようだから面白い。