12-25.10.12『日本人がすみません』

旅のエッセイ
このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.10.12『日本人がすみません』

彼が日本から連れてきていたジャンベを、ついに手放して売ることに。700ルピー。
ちょっと残念だけど、結構な荷物だもんね。
バイバイジャンベ
その後行く予定はなかったのに、なんとなく夜ご飯をオクラ丼のある日本食レストランで食べる事に。
このオクラ丼、すごく美味しいの!!
昨日同じレストランでかき揚げ丼を食べてる人がいて美味しそうだったから、なんとなく今日も来てしまった。

このなんとなくを因果と呼ぶのかしら…

このレストラン、奥がゲストハウスになっていて、このゲストハウスは私たちが昨日まで泊まっていた昔と比べて残念なってしまったゲストハウス。
なにやら注文を終えてのんびりしているとレセプションから女性の怒鳴り声が聞こえてきた。
宿の対応が悪くてもめてるのかなぁ~と我関せず。

さらにヒートアップ。
胸ぐらつかんだりどついたりしてる。

なるべく関わりたくない…

私たちの席にインド人がやってくる。

なんで怒ってるかもよく分からない。日本人だから聞いてやってくれないか。

うわ~!
巻き込まれた!!
しかも日本人だったんかい。
日本人がほんとすいません。

ただその子が困ってるとかならまだしも、様子を見る限り、インド人に対してなにやら怒っているし、完全にクスリとお酒でドランク状態なんだが…。

日本語が話せるインド人が止めに入っても埒があかず、仕方が無いなぁ…。いくしかないか。

まず先にごはんを食べていた大阪人の姉さんがとめに入ってくれて、
悪いけどちょっと今でてきたこのごはんは最低限食べさせてくれ~と思って、ごはんを急いでかっこみ、とめに入る。

姉さんと私で話を聞くから、ととりあえず諌めるが、ちょっとしたことですぐヒートアップしてインド人に掴みかかろうとするのを2人がかりで必死でとめる。
なんとか部屋に誘導し3人で話をする事に。

ドランク状態だから何回も同じ話だしつじつま合わないし…
マドラーのナギゲストハウスってところに、インド人と結婚した日本人がいて5歳になる子どももいる。 自分はインドは4回目で、その日本人の奥さんとは何年も前から交流があったのに、なにやらその人に8万~11万とられたとか。



あれっ、インド人関係なくない?(笑)
掴みかかられてた人たちかわいそう…。
その人が悪いのかと思って、関わりたくないとか思って申し訳ないことをしてしまった。
そのインド人の旦那が前にこの騒ぎを起こしてるゲストハウスで働いていた、というつながりだけっぽい。

かれこれ1時間ほど話を聞き、なんとか落ち着く。
多分私だけだったら永遠に話を聞く事になっていたけれど、大阪の姉さんがさすが大阪人!というツッコミとサバサバさで、
「それ、さっきも聞いたわ!」
「とりあえず寝えや!」
「お金をとられたのは残念だけど、この出会いがプライスレスやん。」
とか、
ほんとおもしろくて(笑)
いてくれて助かった~。

ひとまず落ち着いたので彼と大阪の姉さんの彼氏さんの待つレストランへ。
少したってから姉さんが部屋に様子を見にのぞきに行ってくれたら、
なにやら壁に向かって英語で話していたらしい。
インド人の小人でも出たのか…

お金盗られたのは気の毒だけど、ドランクしたあげく関係ない人に当たり散らすのはダメだわ。
インド人の皆様お疲れ様でした…。

—From the present me


割と衝撃的な出来事な気もするのに、この日記を読むまでこのエピソードをすっかり忘れていた。
なんなら、たしかにあった気もする、というくらいで映像がほとんど浮かんでこない。不思議。
オクラ丼は気に入って日本でもよく作って食べていた。
茹でて切ったオクラをご飯に乗せて醤油をかけるだけ。
今はアレルギーになってオクラが食べられなくなってしまった悲しみ。

明日の日記はこちらに続く

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