12-25.09.25『そんなのアリ?』

旅のエッセイ
  このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
  当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
  あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.09.25『そんなのアリ?』

日本ならベジタリアンでも納豆や豆腐、卵からタンパク質が摂れる。
でもここインドでは、カレーについてくる豆スープ「ダル」を避けると、タンパク源の確保が一気に難しくなる。

コルカタでお腹を壊して以来、私はカレーが食べられなくなっていた。
そのせいで今、私たちは完全にタンパク質不足。

そんなとき救世主になったのが、常連レストランで見つけた「ムスリー(フルーツヨーグルトサラダ)」。
最近は毎朝これを食べている。

が…
今日は大量のアリがオンザムスリーっ!!
どこかにわいていたのだろう、小さなアリが大量に。
最初は除けようとしたけれど、数が多すぎる。
すると彼が言った。
「ま、いっか。アリもタンパク質だし。ちゃんと不足分を考えて出してくれたんだよ」
そう言ってアリごと混ぜはじめる。

なにー!!
タンパク質豊富なフルーツサラダ、おいしくいただきました(涙)

のんびり暮らしながら身体にきちんと向き合って生活してると、足りないものを身体が訴えてくれて、その声をちゃんと受け取ることができる。
日本の忙しさの中でももっともっと向き合っていかないと。

  —From the present me


虫がダメな人ごめんなさい。今の私も読んでいてヒェええええと震えました。
日本にいると虫を見ないで過ごす日も多いから虫の異物感をつい感じてしまうけれど、インドにいると常に虫たちと共に過ごしている。
共に過ごしている感覚がないから「怖い」になってしまうんだろうな。
「知らない」ことと、「嫌い」や「怖い」の感覚は近い。
毎日一緒にいると、愛着すら湧いてくる。
虫だろうと人だろうと、きっと一緒なんだと思う。

明日の日記はこちらに続く

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