12-25.09.15『バラナシはもう大丈夫』

旅のエッセイ
  このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
  当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
  あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.09.15『バラナシはもう大丈夫』

今日の朝はなんと雨が降っていなかった!
彼が「早く出かけるよ!」とめずらしく早起きをして準備をしている。

私は明け方目が覚めてしまってその後眠れなくなってしまったこともあり、まだ眠い&まだお腹も壊れていてブルー。
もはやこの腹痛の原因の8割は精神的なものかとも思われる。

彼が速く速くうるさいので重い腰をあげてなんとか外に出てメインガートへ。
せっかく沐浴している人たちを見ても、バラナシに対して心が全く開けておらず、何も感じず心は閉じたまま。

早く外に出たこともあり、いつもは鍵がかかっている神様たちを見ることができたり、お祈りに並ぶ人々を見ることはできた。
火葬場にも行ったけれど、なんだか私は入る気がせず、入り口でお留守番。

その時水たまりに太陽が月のように映っていて、これは月なんではないかなって言う美しさと優しさで、少しの加減で見えなくなってしまうこの小さな太陽がとても神秘的なものに思えて愛おしかった。
これがこの数日間のバラナシでの一番の素敵なことかも。

帰る道すがら、彼が気に入ったシバリンガがあり購入。
インドに入ってから彼のコレクションが増える一方。

風邪と腹痛を治すべく薬局へいくと、明らかに身体に悪そうな緑色の液体をもらう。
 
飲むのこれ…?半信半疑で口に。飲むと急に鼻水がめっちゃ出るんだけど大丈夫なのかな…。

夕方は火のパフォーマンス、プージャへ。
なんだかこれも、神秘的な感動はなく、日々の流れ作業的パフォーマンスなクオリティと低い心構えに見えてしまって、しゃがんでいた足が痛いことの方がずっと気になり対して感じるものもない始末。
 
帰り道でカンボジアでの旅仲間にも会えたし、もうバラナシに思い残す事はない。
 
あさって19時間かけてハルドワールへ向かいます。
朝の3時50分到着予定(笑)

  —From the present me


全く持ってバラナシを楽しめていないのでこの期間の記憶があまりない。
その中でやはり水たまりに映る太陽のことは覚えていて、おそらくこの時まで水たまりに映る太陽を意識したことがなかったんじゃないかな。
今ではしょっちゅう写真に撮っている。

実はこの後ぐるっとインドを回った後またバラナシに戻ってくるタイミングがあるが、その時のバラナシの印象は全違うものだった。
この時は雨季だったことと何より体調が悪かったこともあって全く楽しめてなかったんだろうな。

コメント