このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。
12-25.07.19『パクセーの朝 カード飲み込まれました』
ラオスの通貨kipを持っていない私たちは、朝からATMへ向かった。そこで事件が起きた。
英語が分からず選択にまごついていたからか、急に操作画面がピッと暗くなり、レシートだけが吐き出された。
…デビットカードが出てこない!
噂に聞いていた「カードが飲み込まれる」事件が、まさか私自身にも降りかかるなんて!
彼はタイでカードを落とし、再発行待ちの状態。私のデビットカードまでなくなると、現地通貨を引き出せず、クレジットカードだけでは大ピンチ。
ATMを離れるわけにもいかず、彼に助けを呼びに行ってもらうことに。
だが、すぐ横のゲストハウスも、道向かいの高級そうなホテルも「分からない」と言うだけ。
どうしよう…と困っていると「ATMを蹴るしかない…!」と彼。
奴は困ったらやりかねない。全力で止めて、今度は私が助けを呼びにいくことに。
親切そうな人を求めて道でキョロキョロ。
HONDAのジャケットを着た仕事中のにいちゃんと目が合った。
「ヘルプミー!」と訴えてみると、苦笑い。困ったにいちゃんの視線の先に、たまたまコーヒーショップから出てきたシュッとしたお兄さんがいた。
「プリーズ、ヘルプミー!」と拙い英語で状況を説明。
すると、「それは困ったね」とすぐにATMまで来てくれた!
お兄さんがATMに書かれた番号に電話してくれるも繋がらず、
「1人、僕と一緒に銀行まで行こう。もう1人はここで待ってて!」
と、彼をバイクに乗せて銀行へ連れて行ってくれた! 感謝しつつも不安な気持ちで1人待っていると、物乞いのおじいさんが近づいてきて手を差し出される。
ピンチの真っ最中で、「助けて欲しいのは私のほうだよ…」とつい苛立ってしまい、余計に落ち込んだ。
しばらくして、お兄さんと彼が戻ってきた。
お兄さんが銀行の人と話してくれたおかげで、1時間後にパスポートを持って行けばカードを返してもらえることに!
彼によると、お兄さんは「コーヒーを買ったらとんだ災難だったよ」と冗談めかして笑っていたらしい。こんな親切な人がいるなんて。
昨日から大変なこと続きだけど、それ以上に温かい人たちに助けていただいている。
銀行からの帰り道、山に見えたお寺に感謝のお祈り。本当にありがとう。
このままカードが返ってこなかったら、現地通貨も引き出せず、旅を早々に終える未来もあったかもしれない。
一つ一つの出来事や、助けてくれた人たちの温かさ、巡り合わせのおかげで、8ヶ月の旅を続けられたんだなと、改めて思う。
今こうして日記を振り返ると、ほとんど毎日何かしらの事件が起きていた。
本当は、日本にいる今も、毎日が同じようでいて違う。
「同じような毎日」と流してしまうか、小さな行動や出会いで少しずつ未来を変えていくか。それは自分次第だな。
英語が分からず選択にまごついていたからか、急に操作画面がピッと暗くなり、レシートだけが吐き出された。
…デビットカードが出てこない!
噂に聞いていた「カードが飲み込まれる」事件が、まさか私自身にも降りかかるなんて!
彼はタイでカードを落とし、再発行待ちの状態。私のデビットカードまでなくなると、現地通貨を引き出せず、クレジットカードだけでは大ピンチ。
ATMを離れるわけにもいかず、彼に助けを呼びに行ってもらうことに。
だが、すぐ横のゲストハウスも、道向かいの高級そうなホテルも「分からない」と言うだけ。
どうしよう…と困っていると「ATMを蹴るしかない…!」と彼。
奴は困ったらやりかねない。全力で止めて、今度は私が助けを呼びにいくことに。
親切そうな人を求めて道でキョロキョロ。
HONDAのジャケットを着た仕事中のにいちゃんと目が合った。
「ヘルプミー!」と訴えてみると、苦笑い。困ったにいちゃんの視線の先に、たまたまコーヒーショップから出てきたシュッとしたお兄さんがいた。
「プリーズ、ヘルプミー!」と拙い英語で状況を説明。
すると、「それは困ったね」とすぐにATMまで来てくれた!
お兄さんがATMに書かれた番号に電話してくれるも繋がらず、
「1人、僕と一緒に銀行まで行こう。もう1人はここで待ってて!」
と、彼をバイクに乗せて銀行へ連れて行ってくれた! 感謝しつつも不安な気持ちで1人待っていると、物乞いのおじいさんが近づいてきて手を差し出される。
ピンチの真っ最中で、「助けて欲しいのは私のほうだよ…」とつい苛立ってしまい、余計に落ち込んだ。
しばらくして、お兄さんと彼が戻ってきた。
お兄さんが銀行の人と話してくれたおかげで、1時間後にパスポートを持って行けばカードを返してもらえることに!
彼によると、お兄さんは「コーヒーを買ったらとんだ災難だったよ」と冗談めかして笑っていたらしい。こんな親切な人がいるなんて。
昨日から大変なこと続きだけど、それ以上に温かい人たちに助けていただいている。
銀行からの帰り道、山に見えたお寺に感謝のお祈り。本当にありがとう。
このままカードが返ってこなかったら、現地通貨も引き出せず、旅を早々に終える未来もあったかもしれない。
一つ一つの出来事や、助けてくれた人たちの温かさ、巡り合わせのおかげで、8ヶ月の旅を続けられたんだなと、改めて思う。
今こうして日記を振り返ると、ほとんど毎日何かしらの事件が起きていた。
本当は、日本にいる今も、毎日が同じようでいて違う。
「同じような毎日」と流してしまうか、小さな行動や出会いで少しずつ未来を変えていくか。それは自分次第だな。
明日の日記はこちらに続く。
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