12-25.06.18『バス渋滞と夜の水シャワー』

旅のエッセイ
なにか事故があったのか、結局1時間くらいバスはほとんど動かなかった。

こんなに交通量が多いタイでも珍しいことのようで、途中で何人も脱落して降りていった。
おかげで途中から座れてよかった!

タイでは少し料金の高い13〜15バーツ(1バーツ約2.5円)の冷房バスと、窓を開けただけの8バーツ前後のバスがあって、風があれば冷房がなくても快適なので、冷房が嫌いな私はこの安いバスで充分。

しかし動かないとなると、おそらく灼熱…。
いつもは節約思考の私たちが、このときはたまたま冷房バスに乗っていたのは運のツキ。

タイのバスには運転手さんと、もう一人添乗員さんがいて、細長い鉄の箱をじゃらじゃら言わせてバス代の回収にくる。

混んでいて後ろに行けないと、回収されずタダになったりすることもあるらしい。

添乗員さんだからってずっとかしこまっている訳ではなく、運転手のおっちゃんと大爆笑でおしゃべりしていたり、私用っぽい電話をかけていたりする。
じゃらじゃらとバス代を回収していなければ、お客さんなのか添乗員さんなのかわからないくらい気を張ってない感じがいい。
日本では考えられないけれど。

バス渋滞で帰りが大幅に遅くなったので、仕方がなく夜にシャワーを浴びることに。
寒くて寒くてどうしようもないので、タオルケットを全身にかぶった。

この宿は水しか出ない。
昼間であれば、外が30度前後の暑さなので、水シャワーでも頑張れる。
ただ、夜となるとだいぶ過ごしやすい気温。

シャワーは明日の朝まで我慢しようか悩んだけれど、
「気持ちいいよ、そんなに冷たくないよ」
と、なんの迷いもなく言う彼。
身体がべたついているのは確かだし、覚悟を決めてトライすることに。

…寒い。

パジャマ用に持ってきていた長袖を身につけ、装備を充実させても寒い。
彼の基準は大概俺基準と言うことを忘れていた。
暑がりの彼は扇風機を回す。
さらに寒い…。
もともと扇風機が苦手な私。
昨日の夜も、この件で少しもめたのだ。

半袖だった彼は部屋に侵入した蚊に十箇所ほど刺されていたけど、長袖でタオルケットぐるぐる巻きの私は無傷。
蚊も私の味方!
扇風機の恨みがちょっとはらされた気持ち。
添乗員さんと運転手さんが大爆笑で話していたって、海外だと「そういうもんなんだな」と思えるのに、日本だと「え?」ってなるのは、当たり前だけど不思議でもある。

絶対にそうしなきゃいけないわけじゃないのに、「こうじゃなきゃおかしい」と思い込んでいることはたくさんあって。
しなくても良いイライラを抱えたり、なんだか雑に扱われているような気持ちになったりする。

何が大事かが違うだけで、「何が大事か」が同じだと思っているから、それが損なわれた時に大事にされていないと感じてしまうんだな。

必ずしも「こうじゃなきゃダメ」なんてものは、ほんとうは、どこにもないのかもしれない。

明日の日記はこちらに続く

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