このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。
13-26.02.10『死ぬかと思った卒業試験』
インドには、入った時の腹痛嘔吐という洗礼だけではなく、どうやら卒業試験もあるらしい。
9日夜7時15分発のデリー行のチケット。クンブメーラの最中ということは分かっていたから1ヶ月前にチケットをとり、余裕をこいていたものの、なんと大沐浴日の前日。
すなわちインド人大移動に巻き込まれる恐れあり。
明日のクンブメーラにバスで行こうとしていた方々はあまりの混雑に心折れリキシャをチャーターしようかどうしようかと一度宿に戻ってくるほど、バスはインド人であふれていたらしい。
そして恐れていたことは的中。
ツーリストオフィスで電車の到着を待っていると、どんどん増えていく人。
電車が到着するころには、いまだかつて見たことのない人の群れがホームに…。
うわぁ…。あそこに入るんかい…。
私たちはチケットを持っているのになぜこの混雑に巻き込まれるか。
それはインドだから…
インドの列車には安いチケットで自由席のジャーナルシート。
安めだけど指定席のスリーパーシート。
高くて快適もちろん指定席のACシートがある。
ACは確実にチケットがなければ入れない特別待遇なのだけど、なぜかスリーパーにはジャーナルのチケットしかもっていない人が涼しい顔して紛れ込んでいたり、1席分のチケットしか持っていないのに家族全員乗り込んできたりするのだ。
警備員も規制しているものの、明らかにこんな人数全員チケットを持っているわけないんだから、電車に乗り込む前にチケットチェックをすればいいのに、ノーチケットは黙認なのか、はみ出した人や明らかに邪魔な人を棒で叩くのみ。(意味ない)
電車が到着し、ドアが開くとホームは飽和状態。
し、死ぬ…。
しかも早く入って自分たちの席のスペースを確保しないと、どんどんインド人に乗り込まれる。
このぎゅうぎゅうの中を我先に入って行くしか生き残る道はない。
「私に構わず先に行って!」
彼に座席確保を託す。
私はバックパックのみ。
彼はバックパックとリュックと手提げの大荷物。
彼と私の間にどんどん入り込む人。
押し合いへし合い。
顔を腕で押しのけられている人、バックが首に引っかかっている人。
押される! つぶされる! 苦しい!!!
彼のバックパックにくくっていたヨガマットもインド人の腕に引っかかってバックパックが後ろにもってかれている。
なんとか後ろからヨガマットを腕から外し、バックパックを押して後方援助。
頑張れ! 行けっ…!
彼が入口に乗り込み見えなくなる。
よかった…
席の確保は彼に任せて、人の流れが収まってから行こうかと一瞬思ったものの、収まるなんて瞬間は絶対にない。
このまま行くしかない!!
ぎゅうぎゅう押される。
みんな我先に入ろうとする。
頭使わないから身体ばかり先に行こうとする人が多くてバックが後ろの人にひっかかりどんどん入口も詰まる。
私は後ろはバックパックが守ってくれている。
前は手でスペースを作りながら。
なるべく流れに逆らわないように。
人の力をうまく使って…。
を意識して入口に突き進む。
こういう意識が働かなかったら、これがインドにきて初の電車だったら、多分乗れずにきっと彼とはぐれていた…もしくはつぶされてた…かも。インドで死にたくない(苦笑)
入口の階段を上がるときも、押し上がってきたインド人の力を使っておいしょ!
入れた!!
入ってからも通路も席も人が溢れ、窓の鉄格子が壊れているところからはバックだけでなく人まで入ってきた。ほんとありえない…。
チェロ!(行け!) アゲ!(どけ!)
を叫びながら席までなんとかたどり着くと、まだ比較的ブースは空いてる!
「思ったより早かったじゃん!」
と彼。
来れないかもとは思っていなかったのか(笑)
荷物をおく場所と自分の場所を確保。
どんどん乗り込むインド人。ここからもまた戦い。
私たちの席だなんてことは構わずにどんどん座ろうとしてくる。
チケット持ってんのか? ないならどけ! と戦う彼。
フェスティバルなんだからいいだろう、あはは
みたいな様子のインド人。
いやいや、あんたたちはタダ乗りしてるんだからきつかろうが狭かろうが座れりゃいいんだろうけど、こっちはこの座席のお金を払って乗っているの。
なんできつい思いして座らなきゃいけないわけ?
例えるならば、新幹線の指定席のチケットを買って座っていたら、なぜか自由席のチケットを1名分しかもっていないのに5人家族があなたの隣に乗り込んできて、座りたいから詰めて! おばあさんもいるのよ? 座らせてよ! ほら詰めて詰めて。
と言ってきました。
あなたならどうする?
という状態ですね。
どうする?
そこにぎゅうぎゅうの中入れずに最後に乗り込んできた韓国人の女の子2人が遅れて到着。
既にインド人に席を占領されている。
チェロチェロとどかすのを手伝ったものの、数名どいてもまだきつそう。
これ以上は自分で言わないなら仕方ないね…。
戦い続けながら列車は定刻に発車するはずもなく、しょっちゅう止まり、いつまでこんなクソ暑い中で人が多すぎてトイレも行けない中我慢し続けなきゃいけないんだろう…。
と思っていたら果敢にも韓国人の女の子がトイレに行った!
…けどやっぱりなかなか帰ってこない。
心配…と思っていると、なんと上のシートをつたって忍者のように戻ってきた!!
涙目汗だく。
よく頑張ったな…。
インド人からはスパイダーマンと呼ばれていた。
私は我慢しよう…。
さてもう疲れた。眠い。
でもシートを作らないと寝られない。(座席は3段あり、2段目は昼間は椅子に座れるように折り畳まれている)
この人たち、黙ってたら絶対どかない。
いつクンブメーラの会場につくかもわからない。
もう眠いから10時になったら寝る!
分かったか!
と宣戦布告する彼。
え~寝たいとかなに~やだ~クスクスみたいな声が周りから聞こえてくる(気がする。ヒンディーだからところどころ英語っぽいところしか分からない。想像)
そして10時。まだ着きそうもない。
どかして寝るしかない。
チェロチェロと言ってインド人をどかしてシートを作ろうとする私たち。
おばあさんも座っていたらしく、インド人が怒り出す。
オールドレディだぞ! 労われ!
とか、
この人だけでも座らせてやれ!
とか、
あと1時間半くらい待ってくれてもいいじゃないか!
とか。
…
まず1時間半で絶対着かないし、
年配の方を労わるのは分かるけど、ほんとに労わりたいならこんな戦場に連れてこないで、もっと会場に前乗りするかリキシャ使うかACの席とればいいじゃん。それぞれの事情はあるんだろうが知らん!
ここは日本じゃない! インドだ!
とも言われ、それもよくよく分かるけど、
お金を払ってチケットをとっているのになんで私は自分の席で寝られないの?
いつになったら寝られるの?
なんでチケットを持っていないのに電車に乗れるの?
の私の問には答えず。笑うのみ。
それならインド人同士で譲りなよ!
オールドレディを労われとか言っておいて、韓国人の子がぎゅうぎゅうで寝られないしきつそうなのには、何も言われないのをいいことに、はばをきかせているチケットを持っていないインド人はそのおばあさんに席を譲ろうともしないしね。
みんな自分のことばかり。
口だけじゃん。
韓国人の子達も眠たそうにしていて、今どけって言わないといつ寝られるか分からないよ?
と言ったけれど、私たちのやりとりにドンびきし、そこまで戦ってまで寝るなら我慢した方がいい、と思ったようで、
私たちはこのままでいい…
とぎゅうぎゅうのまま我慢する道をえらんだ。
やっぱり1時間半なんかで着くはずもなく、クンブメーラの会場について一度大量の人が降りたのはあれから2時間45分経った12時45分。
そこでやっと空いて静寂と快適が訪れるのかと思っていたら、クンブ帰りなのかまた人がどんどん乗り込んでくる。
ほんと勘弁して…。
さすがに韓国人の子達もすかさずベッドを作り寝床を確保。
今度入ってきた人たちは寝床までには侵食してこないのはよかったけれど夜中なのにうるさい…
なんとか混雑する中トイレを済ませ座席に戻ると、窓の外にはクンブ会場のテントに灯る灯りが一帯に広がっていてとてもきれい!
なんとか今までの頑張りを正当化したくて、
ここまで頑張ったご褒美があって良かったね。
と彼にいったら、
「まあ祭りの期間中なら毎日見れるけどね。」
と元も子もない発言。いつものこと。
はいはいそうですね。
クンブの会場からはまたしてもひどい臭いがして、ブランケットでひたすらガード。
悪夢を思い出してか胃がチクっと痛む。
今日は壊れないでくれてありがとう。
お願いだからもう少し頑張ってね私のお腹!!。
やっと静かになりみんなが寝だしたのは3時頃。やれやれ。
到着予定は7時15分だけど、絶対着くはずない。
と思いながら7時にごろごろしながら辺りをうかがっていると、ちょうど韓国人の子がいつ頃つくの?
とインド人に聞いていた。
12時頃かな。6時間は遅れてる。
…やっぱりか。
寝よう。
結局11時頃までシートでごろごろ。
韓国人の子達は学生なのか、無邪気にインド人と戯れている。
そろそろ起きるかと寝床をイスにセッティングチェンジする。
こうなるとまた、彼は座席をチケット持ってないやつのために詰めたくないから、3人以上座ると
チケット持ってるのか?
の戦いが始まる。
もうインド人同士であそこはうるさい奴がいるから座るのやめとけって言っておいてくれればいいのに。
私ももし1人だったら韓国人の子達のように我慢して、仕方ないとおもって、でも恨まれることもなく、無邪気に過ごした方がラク、と思うかもしれない。
でも、なぜ同じ距離、違う料金で乗れる?
なんでお金を払っていない人のために我慢しなきゃいけない?
彼はなにも間違ったことは言ってない。
譲り合うなら同じ立場の人同士でやってって思うのは何か間違ってる?
今更かよっていう朝の8時頃に駅員がチケットチェックに来る。
明らかに座席数より人のが多いのに、とくに咎めるわけでもない。
なんのチェックなの?
形だけ?
ジャーナルの自由席チケットの人がなんでここにいるの?
追い出さないの?
実際別の電車の時に、チケットを持っていない明らかに貧乏そうな親子がガラ空きの車両に乗ってきて、だれも座っていないブースに座っていたら、チケットチェックの奴が目くじらたてて怒り狂って駅にもついていないのに線路に追い出しているのを見たことがある。
その数時間前には座席も混んでいて、また私たちはスペースの確保に戦っていて、チケット代を払うのは痛くも痒くもなさそうな格好をした中間富裕層のやつらがたくさん乗り込んでタダ乗りして降りていったのに。
なにが違うの?
今回もそう。
タダ乗りしてる人、なんで降ろさないの?
私たち詰めなきゃいけないの?
なんのためにチェックしてるの?
自分より身分が下の人だけ邪険に扱うの?
ほんとの譲り合いってなんなの?
卒業試験は難しい。
ここはインドだ、日本じゃない。
でもインド人も答えられるのかな?
でも同じように日本のこと質問されたら、私も答えられるかな?
決まりは難しい。
立場は難しい。
身分は難しい。
情は難しい。
差別をしないのは難しい。
区別をしないのは難しい。
世の中難しいことだらけ。
でも自分がズルせず芯を持っていれば、果たしてぶれずにいられるのかな?
インドはそう簡単には日本に帰してくれないようです。
結局列車の到着は14時。7時間の遅れ。やれやれ。
韓国人の子達はインドにきて1ヶ月でもうすぐ帰国の学生さんだったようで、ろくに寝れていなかっただろうに朝から元気。
無邪気にインド人にも私たちにも話しかけてくれ、リアクションも素直で大袈裟で、可愛らしい。
私たちなんて怖れられても仕方がないくらい殺伐としていて、タダ乗りインド人に対してはこれでもかってくらい権利を主張してバトルをしていたのに。
最後にしっかりと自分たちの出したゴミをまとめて持ち帰っていて、まるでインドに来たての頃の私を見ているよう。
日本では当たり前のことだけど、インドではゴミは窓からポイが当たり前。
初めの頃は、インドだって自然に帰らないゴミがこんなに増えて少しずつゴミ箱だって増えてるんだから、ツーリストがインドはそうって決めつけて捨てたらダメだよ!
って頑なにゴミ箱に捨てていたけれど、駅の掃除してる人も結局ホームからホームの下にゴミを落としてるだけだし、インド人はみんな窓から捨ててるし、肝心のゴミ箱はほとんどないし…もはや私も迷わず窓からポイしてた。
なんだか初心を思い出した。
デリーに降り立つのは3回目。
今回で最後か、と思うと寂しい。
ろくなものを食べていなかったので、宿探しの前にオクラ丼の食べられるお店へ。
なんだかんだでやっぱり美味しい。
ここの子どもが少し大きくなっていて時の流れが感慨深い。
宿に荷物を置きショッピング!
最後だからかなり財布の紐がゆるんでる…かも(笑)
日曜日だからコンノードプレイスのバザールも賑わっていて楽しかった♫
普段では思いとどまるような80ルピーと高額のアイスシェイクも人気店のようだから飲んでみた。
50ルピーのシェイクと、80ルピーのアイスシェイクがあって、普通のシェイクの方にするつもりが、なぜか彼がわざわざ高い方のアイスシェイクをチョイス。
なんで?
と思ったら、なんと店の釣り銭箱から10ルピーコインが見えていたらしく、そのコインでお釣りが欲しいがために高い方をチョイス!!(10ルピーの多くはお札だから珍しい)
いくら外国のお金集めが趣味だからって、釣り銭箱のチラ見は泥棒並みだし、そっちのお札でお釣り頂戴! とかわざわざ平気で言うし、最近はオールドコインが露店に並んでるとわざわざ買うし! 今回に至ってはわざわざ高い方買うし!
私が我慢してきたポテチとかっていったい…
肝心のアイスシェイクの味は薄かった…
でも同じお店で買ったパンは美味しかった~♫
デリーのウザさはやっぱりあんまり嫌いではなく、駆け引きや値切りも面白い。
車通りの多さと空気と水の汚さは嫌になるが、なんだかんだ嫌いじゃないです。
しあさってには飛行機か~。いまだに帰国の実感がわきません。
最後まで気を引き締めて、帰るまでが旅!
この時は本当に下手すれば死んでたし、心折れてたらこの電車には乗れずに彼とはぐれていただろうなと思う。よくなんとか乗り込んだな。
冷静に周りの力をうまく使いながら最低限の力と最大限の主張で乗り込んだ私偉い。
この時頑張れた経験は結構大きい。
9日夜7時15分発のデリー行のチケット。クンブメーラの最中ということは分かっていたから1ヶ月前にチケットをとり、余裕をこいていたものの、なんと大沐浴日の前日。
すなわちインド人大移動に巻き込まれる恐れあり。
明日のクンブメーラにバスで行こうとしていた方々はあまりの混雑に心折れリキシャをチャーターしようかどうしようかと一度宿に戻ってくるほど、バスはインド人であふれていたらしい。
そして恐れていたことは的中。
ツーリストオフィスで電車の到着を待っていると、どんどん増えていく人。
電車が到着するころには、いまだかつて見たことのない人の群れがホームに…。
うわぁ…。あそこに入るんかい…。
私たちはチケットを持っているのになぜこの混雑に巻き込まれるか。
それはインドだから…
インドの列車には安いチケットで自由席のジャーナルシート。
安めだけど指定席のスリーパーシート。
高くて快適もちろん指定席のACシートがある。
ACは確実にチケットがなければ入れない特別待遇なのだけど、なぜかスリーパーにはジャーナルのチケットしかもっていない人が涼しい顔して紛れ込んでいたり、1席分のチケットしか持っていないのに家族全員乗り込んできたりするのだ。
警備員も規制しているものの、明らかにこんな人数全員チケットを持っているわけないんだから、電車に乗り込む前にチケットチェックをすればいいのに、ノーチケットは黙認なのか、はみ出した人や明らかに邪魔な人を棒で叩くのみ。(意味ない)
電車が到着し、ドアが開くとホームは飽和状態。
し、死ぬ…。
しかも早く入って自分たちの席のスペースを確保しないと、どんどんインド人に乗り込まれる。
このぎゅうぎゅうの中を我先に入って行くしか生き残る道はない。
「私に構わず先に行って!」
彼に座席確保を託す。
私はバックパックのみ。
彼はバックパックとリュックと手提げの大荷物。
彼と私の間にどんどん入り込む人。
押し合いへし合い。
顔を腕で押しのけられている人、バックが首に引っかかっている人。
押される! つぶされる! 苦しい!!!
彼のバックパックにくくっていたヨガマットもインド人の腕に引っかかってバックパックが後ろにもってかれている。
なんとか後ろからヨガマットを腕から外し、バックパックを押して後方援助。
頑張れ! 行けっ…!
彼が入口に乗り込み見えなくなる。
よかった…
席の確保は彼に任せて、人の流れが収まってから行こうかと一瞬思ったものの、収まるなんて瞬間は絶対にない。
このまま行くしかない!!
ぎゅうぎゅう押される。
みんな我先に入ろうとする。
頭使わないから身体ばかり先に行こうとする人が多くてバックが後ろの人にひっかかりどんどん入口も詰まる。
私は後ろはバックパックが守ってくれている。
前は手でスペースを作りながら。
なるべく流れに逆らわないように。
人の力をうまく使って…。
を意識して入口に突き進む。
こういう意識が働かなかったら、これがインドにきて初の電車だったら、多分乗れずにきっと彼とはぐれていた…もしくはつぶされてた…かも。インドで死にたくない(苦笑)
入口の階段を上がるときも、押し上がってきたインド人の力を使っておいしょ!
入れた!!
入ってからも通路も席も人が溢れ、窓の鉄格子が壊れているところからはバックだけでなく人まで入ってきた。ほんとありえない…。
チェロ!(行け!) アゲ!(どけ!)
を叫びながら席までなんとかたどり着くと、まだ比較的ブースは空いてる!
「思ったより早かったじゃん!」
と彼。
来れないかもとは思っていなかったのか(笑)
荷物をおく場所と自分の場所を確保。
どんどん乗り込むインド人。ここからもまた戦い。
私たちの席だなんてことは構わずにどんどん座ろうとしてくる。
チケット持ってんのか? ないならどけ! と戦う彼。
フェスティバルなんだからいいだろう、あはは
みたいな様子のインド人。
いやいや、あんたたちはタダ乗りしてるんだからきつかろうが狭かろうが座れりゃいいんだろうけど、こっちはこの座席のお金を払って乗っているの。
なんできつい思いして座らなきゃいけないわけ?
例えるならば、新幹線の指定席のチケットを買って座っていたら、なぜか自由席のチケットを1名分しかもっていないのに5人家族があなたの隣に乗り込んできて、座りたいから詰めて! おばあさんもいるのよ? 座らせてよ! ほら詰めて詰めて。
と言ってきました。
あなたならどうする?
という状態ですね。
どうする?
そこにぎゅうぎゅうの中入れずに最後に乗り込んできた韓国人の女の子2人が遅れて到着。
既にインド人に席を占領されている。
チェロチェロとどかすのを手伝ったものの、数名どいてもまだきつそう。
これ以上は自分で言わないなら仕方ないね…。
戦い続けながら列車は定刻に発車するはずもなく、しょっちゅう止まり、いつまでこんなクソ暑い中で人が多すぎてトイレも行けない中我慢し続けなきゃいけないんだろう…。
と思っていたら果敢にも韓国人の女の子がトイレに行った!
…けどやっぱりなかなか帰ってこない。
心配…と思っていると、なんと上のシートをつたって忍者のように戻ってきた!!
涙目汗だく。
よく頑張ったな…。
インド人からはスパイダーマンと呼ばれていた。
私は我慢しよう…。
さてもう疲れた。眠い。
でもシートを作らないと寝られない。(座席は3段あり、2段目は昼間は椅子に座れるように折り畳まれている)
この人たち、黙ってたら絶対どかない。
いつクンブメーラの会場につくかもわからない。
もう眠いから10時になったら寝る!
分かったか!
と宣戦布告する彼。
え~寝たいとかなに~やだ~クスクスみたいな声が周りから聞こえてくる(気がする。ヒンディーだからところどころ英語っぽいところしか分からない。想像)
そして10時。まだ着きそうもない。
どかして寝るしかない。
チェロチェロと言ってインド人をどかしてシートを作ろうとする私たち。
おばあさんも座っていたらしく、インド人が怒り出す。
オールドレディだぞ! 労われ!
とか、
この人だけでも座らせてやれ!
とか、
あと1時間半くらい待ってくれてもいいじゃないか!
とか。
…
まず1時間半で絶対着かないし、
年配の方を労わるのは分かるけど、ほんとに労わりたいならこんな戦場に連れてこないで、もっと会場に前乗りするかリキシャ使うかACの席とればいいじゃん。それぞれの事情はあるんだろうが知らん!
ここは日本じゃない! インドだ!
とも言われ、それもよくよく分かるけど、
お金を払ってチケットをとっているのになんで私は自分の席で寝られないの?
いつになったら寝られるの?
なんでチケットを持っていないのに電車に乗れるの?
の私の問には答えず。笑うのみ。
それならインド人同士で譲りなよ!
オールドレディを労われとか言っておいて、韓国人の子がぎゅうぎゅうで寝られないしきつそうなのには、何も言われないのをいいことに、はばをきかせているチケットを持っていないインド人はそのおばあさんに席を譲ろうともしないしね。
みんな自分のことばかり。
口だけじゃん。
韓国人の子達も眠たそうにしていて、今どけって言わないといつ寝られるか分からないよ?
と言ったけれど、私たちのやりとりにドンびきし、そこまで戦ってまで寝るなら我慢した方がいい、と思ったようで、
私たちはこのままでいい…
とぎゅうぎゅうのまま我慢する道をえらんだ。
やっぱり1時間半なんかで着くはずもなく、クンブメーラの会場について一度大量の人が降りたのはあれから2時間45分経った12時45分。
そこでやっと空いて静寂と快適が訪れるのかと思っていたら、クンブ帰りなのかまた人がどんどん乗り込んでくる。
ほんと勘弁して…。
さすがに韓国人の子達もすかさずベッドを作り寝床を確保。
今度入ってきた人たちは寝床までには侵食してこないのはよかったけれど夜中なのにうるさい…
なんとか混雑する中トイレを済ませ座席に戻ると、窓の外にはクンブ会場のテントに灯る灯りが一帯に広がっていてとてもきれい!
なんとか今までの頑張りを正当化したくて、
ここまで頑張ったご褒美があって良かったね。
と彼にいったら、
「まあ祭りの期間中なら毎日見れるけどね。」
と元も子もない発言。いつものこと。
はいはいそうですね。
クンブの会場からはまたしてもひどい臭いがして、ブランケットでひたすらガード。
悪夢を思い出してか胃がチクっと痛む。
今日は壊れないでくれてありがとう。
お願いだからもう少し頑張ってね私のお腹!!。
やっと静かになりみんなが寝だしたのは3時頃。やれやれ。
到着予定は7時15分だけど、絶対着くはずない。
と思いながら7時にごろごろしながら辺りをうかがっていると、ちょうど韓国人の子がいつ頃つくの?
とインド人に聞いていた。
12時頃かな。6時間は遅れてる。
…やっぱりか。
寝よう。
結局11時頃までシートでごろごろ。
韓国人の子達は学生なのか、無邪気にインド人と戯れている。
そろそろ起きるかと寝床をイスにセッティングチェンジする。
こうなるとまた、彼は座席をチケット持ってないやつのために詰めたくないから、3人以上座ると
チケット持ってるのか?
の戦いが始まる。
もうインド人同士であそこはうるさい奴がいるから座るのやめとけって言っておいてくれればいいのに。
私ももし1人だったら韓国人の子達のように我慢して、仕方ないとおもって、でも恨まれることもなく、無邪気に過ごした方がラク、と思うかもしれない。
でも、なぜ同じ距離、違う料金で乗れる?
なんでお金を払っていない人のために我慢しなきゃいけない?
彼はなにも間違ったことは言ってない。
譲り合うなら同じ立場の人同士でやってって思うのは何か間違ってる?
今更かよっていう朝の8時頃に駅員がチケットチェックに来る。
明らかに座席数より人のが多いのに、とくに咎めるわけでもない。
なんのチェックなの?
形だけ?
ジャーナルの自由席チケットの人がなんでここにいるの?
追い出さないの?
実際別の電車の時に、チケットを持っていない明らかに貧乏そうな親子がガラ空きの車両に乗ってきて、だれも座っていないブースに座っていたら、チケットチェックの奴が目くじらたてて怒り狂って駅にもついていないのに線路に追い出しているのを見たことがある。
その数時間前には座席も混んでいて、また私たちはスペースの確保に戦っていて、チケット代を払うのは痛くも痒くもなさそうな格好をした中間富裕層のやつらがたくさん乗り込んでタダ乗りして降りていったのに。
なにが違うの?
今回もそう。
タダ乗りしてる人、なんで降ろさないの?
私たち詰めなきゃいけないの?
なんのためにチェックしてるの?
自分より身分が下の人だけ邪険に扱うの?
ほんとの譲り合いってなんなの?
卒業試験は難しい。
ここはインドだ、日本じゃない。
でもインド人も答えられるのかな?
でも同じように日本のこと質問されたら、私も答えられるかな?
決まりは難しい。
立場は難しい。
身分は難しい。
情は難しい。
差別をしないのは難しい。
区別をしないのは難しい。
世の中難しいことだらけ。
でも自分がズルせず芯を持っていれば、果たしてぶれずにいられるのかな?
インドはそう簡単には日本に帰してくれないようです。
結局列車の到着は14時。7時間の遅れ。やれやれ。
韓国人の子達はインドにきて1ヶ月でもうすぐ帰国の学生さんだったようで、ろくに寝れていなかっただろうに朝から元気。
無邪気にインド人にも私たちにも話しかけてくれ、リアクションも素直で大袈裟で、可愛らしい。
私たちなんて怖れられても仕方がないくらい殺伐としていて、タダ乗りインド人に対してはこれでもかってくらい権利を主張してバトルをしていたのに。
最後にしっかりと自分たちの出したゴミをまとめて持ち帰っていて、まるでインドに来たての頃の私を見ているよう。
日本では当たり前のことだけど、インドではゴミは窓からポイが当たり前。
初めの頃は、インドだって自然に帰らないゴミがこんなに増えて少しずつゴミ箱だって増えてるんだから、ツーリストがインドはそうって決めつけて捨てたらダメだよ!
って頑なにゴミ箱に捨てていたけれど、駅の掃除してる人も結局ホームからホームの下にゴミを落としてるだけだし、インド人はみんな窓から捨ててるし、肝心のゴミ箱はほとんどないし…もはや私も迷わず窓からポイしてた。
なんだか初心を思い出した。
デリーに降り立つのは3回目。
今回で最後か、と思うと寂しい。
ろくなものを食べていなかったので、宿探しの前にオクラ丼の食べられるお店へ。
なんだかんだでやっぱり美味しい。
ここの子どもが少し大きくなっていて時の流れが感慨深い。
宿に荷物を置きショッピング!
最後だからかなり財布の紐がゆるんでる…かも(笑)
日曜日だからコンノードプレイスのバザールも賑わっていて楽しかった♫
普段では思いとどまるような80ルピーと高額のアイスシェイクも人気店のようだから飲んでみた。
50ルピーのシェイクと、80ルピーのアイスシェイクがあって、普通のシェイクの方にするつもりが、なぜか彼がわざわざ高い方のアイスシェイクをチョイス。
なんで?
と思ったら、なんと店の釣り銭箱から10ルピーコインが見えていたらしく、そのコインでお釣りが欲しいがために高い方をチョイス!!(10ルピーの多くはお札だから珍しい)
いくら外国のお金集めが趣味だからって、釣り銭箱のチラ見は泥棒並みだし、そっちのお札でお釣り頂戴! とかわざわざ平気で言うし、最近はオールドコインが露店に並んでるとわざわざ買うし! 今回に至ってはわざわざ高い方買うし!
私が我慢してきたポテチとかっていったい…
肝心のアイスシェイクの味は薄かった…
でも同じお店で買ったパンは美味しかった~♫
デリーのウザさはやっぱりあんまり嫌いではなく、駆け引きや値切りも面白い。
車通りの多さと空気と水の汚さは嫌になるが、なんだかんだ嫌いじゃないです。
しあさってには飛行機か~。いまだに帰国の実感がわきません。
最後まで気を引き締めて、帰るまでが旅!
—From the present me
この時は本当に下手すれば死んでたし、心折れてたらこの電車には乗れずに彼とはぐれていただろうなと思う。よくなんとか乗り込んだな。
冷静に周りの力をうまく使いながら最低限の力と最大限の主張で乗り込んだ私偉い。
この時頑張れた経験は結構大きい。

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