高輪台をぶらりフォトウォーク

フォトウォーク
最近写真以外のことにかける時間が増えていて感覚が薄れてきていた。
仕事だったり、別のやりたいことだったり、それぞれモードが違って、どれかに一生懸命になりすぎるとどれかに必要な感覚が薄れていってしまう感じがする。
頭の中がそのことでいっぱいで、道端のちょっとした素敵に気づける感覚が薄れてきていた。
やらねば、と思うことはあったけれど、自然に触れたくて外へ出た。

降りたことのない駅で降りてみようと思い、高輪台で降りてみた。
公園とお寺を目指して汗だくになりながら歩く。
途中、高級そうなホテルやらインターナショナルスクールやら、見慣れない世界に少しどきまぎした。
同じ日本のはずなのに、数駅離れただけで別世界だよな、と思う。
五反田と高輪台も全然違うし、三田と高輪台もまた違う。
数駅しか変わらないのに。
 
公園に着くと噴水があったり、水が段になって流れているとことがあって、人工的だが滝のような音が聴けた。
 
 
久しぶりの水たちの音にやっと心が落ち着いた。
 
 
お寺に着いて門をくぐるとカラスに迎えられた。
 
あまり望まれてはいなそうで、わざとらしく私の頭上近くを通って別の木へと移っていった。
カラスの次は虫のお出迎え。
耳元をかすめる羽音にビクッとなる。
 
 
中へと進んでいくとぶわっと草木の匂いが濃くなる。
この匂い立つような濃度の濃い、湿った感じの凝縮された匂いはなかなか普段の通勤の往復中には出会えなくて、そんな匂いの中蝉や虫たちの声を聴いていたらだんだん五感が生き返ってくる感じがした。
 
お寺を抜けて、裏道のような坂道を上ってみる。
住宅街のはずなのに、一切人の気配がない。
左手側は森のように木々が茂っていて、蝉たちが競うように鳴いている。
風に吹かれてカラカラと追いかけてくる草の気配にすら敏感になってしまう。
久しぶりの感覚。
感覚が戻ってきた。

自然に触れていないと畏れのような感覚がどんどん薄れてしまって、ぼーっと考え事をしたり情報インプットをしながら歩けてしまう。
 
そうして薄れていった感覚を、たまにこうしてリセットしないといけない。
都内でも、別世界のような建物たちばかりの街でも、こうして少し歩けば自然に触れられるのだから。

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