12-25.07.28『フエ→ハノイ 試練のバスとトマトフォーの救い』

旅のエッセイ
このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.07.28『フエ→ハノイ 試練のバスとトマトフォーの救い』

寝台の寝心地は前回のHan cafeバスより良かった。
でも!
17時~翌朝9時頃までの長丁場の中、トイレ休憩が21時半の一回しかなかった!!
その唯一の休憩のトイレで、欧米人が、こんなトイレは初めてだと発狂していた。
便器と桶しかなかったし、何やら虫的なものがいたみたい。
そこまで汚くないじゃん。ドアちゃんと閉まるし。
と思った私はすっかり慣れてきたのだな、と自分を褒めてあげたいと思った。

その後3時半くらいからすでにトイレに行きたかったのに、一向にトイレ休憩なし。

ドライバーだけ、疲れたタイミングで休憩してるが、トイレがある気配はない道端。
なんなんだ…。
もう、心を無にして寝続けるしかない…。

やっと翌朝9時頃ハノイに到着。
バスを降りるなり、毎度お馴染みのホテルの勧誘の嵐。
しかも、なぜか、バスの下に積んでいたでかいリュックが濡れてる…。
彼はトイレ行ってくると、立ちションに向かう。
私も3時半から我慢してるのに…と、自分だけ先にさっといなくなることにイラっ。
そこに勧誘がいつまでもしつこいからさらにさらにイライラ。
無言で首を振り続ける。
彼が戻ってきてもさらにうるさいから、
「私はトイレに行きたいの!」と日本語で発狂気味に振り切るほどの限界。

近くにあった旅行代理店でトイレを借りる。もはや汚いとか言っている場合ではない。
戻ると彼がまた勧誘に囲まれている。
初めはその値段でツイン、朝食つき、Wi-Fiもできると言っていたのに、別の人がきたら、その値段はドミトリーだと言ってきたり、同額でツインなら朝食なしだと言ってきたり、言う事がコロコロ変わって腹立たしい。。
10ドルツインで朝食つきならば、泊まるということで交渉成立。

すると今度は、ホテルまでバイクで行くからお金を払えといってくる。
はぁ…
歩く、と押し切ると、しぶしぶ、払ってやるから乗れ、と言う事でバイクに乗る。
私より早く着いた彼は、タダで良いと言われたから乗ったのにバイク代を請求されていた。
ほんとずっとなんなんだ。

引かなかったら恩着せがましく、お前らのためにここのお金を払うんだぞ、と見せつけながらホテルの金庫から50000ドンを払う。
そして通された部屋はとても10ドルとは思えないクオリティ。
今まで10ドルだと、エアコン、ファン、テレビ、ホットシャワー、タオル、冷蔵庫は着いていたのだけど、ファンもタオルも冷蔵庫もない。
しかもめっちゃ狭いは窓は壊れてるわ水漏れするわで最悪。
Wi-Fiもつながらない。

やられた。

もっと良さそうな部屋がらがらに空いてるのに。
エアコンもテレビも冷蔵庫もなくたって、安くて親切なら何も文句はないよ。
でも10ドルも払ってこれはない…。
ただ、歩くと言い張ったものの、とても実際は歩ける距離ではなかったから、タダでここまで来られた事だけには感謝をして、今日は我慢。
明日他に移ろう。
とても疲れた…。

疲れ果てた私たちにもちょっとした救いもあった。 ラオスで島に行く前に、ごはんが高いと困るからと、ケトルと大量のインスタントラーメンを買っていった。
正直、インスタントラーメンを食べても満たされず、食べた気がしなかった。
が…
今日スーパーでインスタントフォーを発見!
疲労回復効果のあるトマトも買ってケトルでトマトフォーを作ってみるとめちゃくちゃ美味しい!
今まで外でお金払って食べてたのバカみたい!という美味しさ。
ハノイは驚くほどごはんが高いので、ハノイ中は毎日お世話になりそうです。

  —From the present me


こういうずっと文句言っている日は読んでいて色々思うところがあるけれど、旅行と旅は違って、これが毎日のこととなると、そう機嫌よくばかりもいられないよな、と思う。
草むらのトイレに慣れてきていた私はすっかりドアがあるだけで満足しているし、もはや草むらでもいいからちゃんとトイレ休憩をくれと思っている。
ただ、いざとなったら彼もいるし、という安心感もあるからそんなことが言えるけれど、女性一人旅だとやっぱりトイレに行く一つをとっても本当に怖いなと思う。
乗り合わせるバスに女性がたくさんいるとも限らない。どこでトイレ休憩となるかもわからない。
今一人で旅に出たいかと言われたら、なかなか同じことを一人でするのは難しいなと思う。
離婚はしたものの、私を旅に連れ出してくれた元夫には感謝をしている。

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