12-25.07.23『ワット・プーへの道 今日も優しさとラッキーで乗り切れた試練』

旅のエッセイ
  このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
  当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
  あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.07.23『ワット・プーへの道 今日も優しさとラッキーで乗り切れた試練』

バンガローからサンライズが見えると聞いて、日の出時間が分からないまま4時半に起床。
彼は起きなかった。

まだ真っ暗な中で、鶏の声と、鳥のさえずりだけが聴こえる。
だんだん辺りが明るくなってくる。
あんなに暗かったのに、草や樹の輪郭が少しずつはっきりしてくる。
そろそろかな、と彼を起こしてやる。
「まだ暗い、あと30分くらいだよ」と偉そうに!
4時半に起きる予定だったところ、30分様子をみて待ってから起こしたのに!
むー(~_~;)と思いながら、日の出を待つ。

結局、どんどん明るくなるのに太陽は見えず。
曇りすぎて、見えなかったみたい。
残念。
でも真っ暗から明るくなっていく時間はすごく幸せだったなぁ。
早起きしてよかった!

本当は島には明日までいたかったけど、ニンニーおじちゃんに「船は火曜は現地人が使うから、月曜か水曜しかダメだ」と言われたので、 ニンニーの言うとおり今日、島を出ることに。
ワット・プーの近くで一泊し、明日朝一でワット・プーを見るべく、13号をバイクでかっ飛ばす。

13号沿いには、ところどころに木で作られた簡素な休憩所がある。
ナカサンから1時間ほど走り、休憩所で一息ついてると、パラパラと木の屋根を叩く雨音が…と思ったらあっと言う間に豪雨。
今休憩してなかったら、びしょ濡れだった!
さっき山で見た仏像にお祈りしたのが効いたのか、ナイスタイミング。

しかし雨はなかなか止まず、持ってたお菓子で昼食。
降ったり止んだりを繰り返し、1時間後に出発。
あと2時間走れば、ワット・プーの街に着くはず。

…が…。
ワット・プーと書かれた看板を曲がっても、それらしきものもホテルも見当たらず、ウロウロ迷子。
子どもがバイバイと手を振ってくれるのが可愛い。
迷子になっているせいで何度も同じところを通ることになったが、その3回とも手を振ってくれた。

船に乗らないといけないのかと思い船着場のおっちゃんに聞くと、「40キロ向こうだ」と。
英語だったから全部は理解できず、また迷いながら行ったり来たり。
結局同じ街に戻り、再度道を尋ねる。
今度はみんなラオ語のみ。
すごく一生懸命説明してくれた。
…分からなかったけど(笑)。

とりあえず、まっすぐ進む!だけはわかったのでまっすぐ進んでみる。
キョロキョロしながら走ってると、道端の人々が
「こっちだ!」
「こっちだ!」
と指差して教えてくれる。

みなさんのおかげでさっきとは別の船着場に到着。
ワット・プーの島に着く船であっているのか分からないまま、勧められるがままに船に乗る。
また雨が降ってくる。
島にホテルがなかったら終わりだ…。
雨がどんどん強くなる中思う。

船代は20000kipと、そこまで高くなくて安心。
街の人々にホテルを聞きながら進む。
雨が強くなる。
不安…。



あった!
ゲストハウス発見!
しかもすごく綺麗!
ゲストハウス発見後に雨はさらに強くなり、雷を伴う豪雨に。
ほんと助かった。
守られてるな、と今日も思う。
明日はやっとワット・プー!


今読み返すと、ニンニーおじちゃんも13号も唐突すぎる。
絶対補足が必要なのに、詳しいことは思い出せない。
ニンニーはそんなに仲良くなったおじいちゃんだったのかな。
名前まで知ってるから、きっと良くしてくれたんだろう。
コーン島の記憶は、なぜか朧げだ。
でも、コーン島を出た後の記憶は、自然と映像で蘇る。
突然の雨。
ラオ語で道を説明してくれた人々の笑顔。
雨宿りした屋根付き休憩所の雰囲気。
写真はほとんどないのに、ありありと浮かんでくる。
やっぱりコーン島には何かあったんじゃないか、と思いたくなってしまう。

明日の日記はこちらに続く

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