12-25.07.22『デッド島とコーン島 バイクで巡る滝と満天の星空』

旅のエッセイ
  このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
  当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
  あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.07.22『デッド島とコーン島 バイクで巡る滝と満天の星空』

ラオスの最南端、デッド島とコーン島にやってきた。
パクセーから彼の運転するバイクで4時間。
長かった…!
お尻が痛い。

本当はデッド島で宿を見つけたら、ナーカサンに戻ってコーンパペンの滝を見る予定だった。
でも、島への船が2人プラスバイクで40000kipもした。
高すぎてコーンパペンの滝は断念。
予定を変更し、デッド島とコーン島をバイクでぐるっと一周。
 
思いのほか広く、バイクで来てよかったと思える瞬間だった。

つい何年か前までは電気の通っていなかったというこの島に、なんとWi-Fiのできるレストランやカフェがたくさんあった。 迷子になりながら、なんとかコーン島のソンパミットの滝に到着。
 
滝と言うより、濁流。
雨季の迫力はすごかった。

宿はバンガロー。余計なものは何ひとつない。
部屋にはベッドと蚊帳、小さな棚、そして、電球ひとつがあるのみ。
ベランダのハンモックが何よりの贅沢。
 
虫の声と川の音を聴きながら、ぼんやり揺られるのは格別だった。

少しのんびりした後、夕陽を見に船着場へ。
足をメコン川に浸しながら眺める夕陽。
自然と溶け合えるような時間。
 
夜は星空。
今まで見た中で一番たくさんの星空。
私がせっかく感激しているのに、彼は「日本の山レベルだな」とか言う。
こういう反応には毎度本当にイラッとするけど、悲しいかないつものことである。

明日はサンライズを見るために、早起き頑張るぞ!


「40000kipもしたので」がそんなに高かったのか気になり調べると、ハーゲンダッツ1個くらいの値段で衝撃だった。
旅1ヶ月で、そんなに現地の価値観と貧乏バックパッカー感覚に慣れてたんだな。
こんなにたくさんの自然美に触れている日なのに、なぜか景色は断片的にしか思い出せない。
何か思い出そうとすると、頭の左上に引っ掛かりがある感じ。
「この日何があったんだろう」と、さも何かあったようにこじつけそうになったけど、念のため調べてみるとなんてことはなかった。
おでこの左上、脳の「左前頭前野」は、記憶の検索や判断に関わる場所らしい。
昔の記憶を思い出そうとする時の“引っかかる感じ”は、この部分が動いてるだけなのかも。
「何かあったのかも」と思い込んだらこじつけられてしまいそうで、人間って面白い

明日の日記はこちらに続く

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