12-25.07.17『フエ最後の夜』

旅のエッセイ
このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.07.17『フエ最後の夜』

昨日の疲れが残っているのか、夏バテなのか、身体がだるくて今日は一日ぐうたら。

フエの人は本当に穏やかで優しくて好き。
もう二度とベトナムには来ないだろうと思っていたけれど、フエは行きたい。

そんなフエとも今日でお別れ。
明日の朝7時発のバスでラオスのパクセーに向かう。

地図上ではサワンナケートのほうが近いように見えるのに、なぜかもっと南のパクセーのほうが早く着くらしい。不思議。

しかも、国境越えがあるのにツーリストバスではなく、現地の人用のローカルバスに乗る予定。
一人23ドル(ツーリストバスは29ドル)。
ちょっと不安はあるけれど、何かあっても笑い話にできる気がしている。

そしてなんと、またしても旅立つ直前に、ニャチャンでも再会したカンボジアの旅仲間の1人と再会できた!
その彼と、彼と同じドミトリーに泊まっている女性と、4人でごはんへ。

毎日通っていたレストランで「いつもの」を注文。
今日でここも最後かと思うと、ちょっとしんみり。

ここの店員の女の子が私たちのことを覚えていてくれて、すごく可愛い。

そして今日は、初めてそのレストランにあるフリーのビリヤード台で遊ぶことに。
ビリヤードは大学以来。
4人とも詳しいわけではないので、ゆるゆると楽しんでいたら、途中からスタッフのベトナム人も参戦。

めちゃめちゃうまい!
どこを狙えばいいか教えてくれたり、最後はカンボジア仲間の彼と対戦したり。
デザートまでサービスで出してくれて、ちびすけの子犬にも出会えて、
フエ最後の夜も、最高に楽しかった。

 
さよなら、フエ。

「いつもの」ができるほど通いつめたレストラン。
写真には残っていないけど、やさしい味のベジヌードルのことは今でもよく覚えている。

「現地の人と一緒に遊ぶ」という経験は、この時が初めてだったかもしれない。
子犬のちびすけがビリヤード台を走り回る中、みんなで笑いあった平和な夜。

13年前のこの旅が、本当に自分の人生の出来事だったのかと、不思議に思うこともある。
けれどフエの日記を読むと、その場に戻ったように記憶が鮮やかに蘇る。

あぁ、これは間違いなく、私の体験だったんだなあと、改めて思う。

明日の日記はこちらに続く

コメント