13-26.01.04『「No no 50ルピー♪」 リキシャの兄ちゃんが歌った嘆きの歌と、バラナシ駅への深夜の攻防』

旅のエッセイ
このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

13-26.01.04『「No no 50ルピー♪」 リキシャの兄ちゃんが歌った嘆きの歌と、バラナシ駅への深夜の攻防』

今日は23時すぎ発の夜行列車でゴーラクプルへ向かう。
チェックアウト後も時間たっぷり。

日本語ペラペラのソナのお店に入り浸る。
チャイ屋のいもちゃんにも久しぶりに会えた。

最後のボーカルのレッスンも、最後ということもあってか、先生だけではなく、教室を運営しているジョリーまで途中で入ってきて、素晴らしい!
と拍手をしてくれた。

夜になり皆さんに、お別れ…とはいえ、またバラナシには戻ってくるのでじゃあまた、と再会を約束してさよなら。

ここまではよい。

ここからがまた戦い。

今日もオートリキシャはストらしくほとんど走っていない。
なので人力車も強気。

駅まで30~40ルピーが相場だけど、50を譲らない。

じゃあいいよ。

と他のリキシャを探していたら、こいつのリキシャにはぜっったい乗りたくない!
っていう、意地悪そうな顔のやつが何やらこそこそ若い兄ちゃんに入れ知恵をしたよう。

カムカムカム。OK40ルピー。

絶対もめる予感はしたけれど、ここでずっと戦っていても埒があかないので、とりあえず乗り込む。

キコキコキコ…



おっそい…

兄ちゃん小さいから、立ちこぎしかできない模様。
しかも途中で友達を見つけたのか、ちょっと待ってて!

とリキシャ置いてどっかいっちゃったり。
まったく…
それでも文句言わずに待ってたのに。

キコキコキコ

「50ルピー!」

はいきたー。途中で追加で言ってくるパターンきたー。

40って言ったじゃん!
いつもは30ルピーしか払わないけど、夜だから40ルピー払うんだよ!

と言っても

「50ルピー!」

と譲らず。

はぁ。めんどくさい。
こうなると始まります。モーションで駆け引き。

じゃあいいよ。おりまーす。他のリキシャさがしまーす。

とリキシャを降りる彼。
私も続いて降りる。

他のリキシャを探すモーション。

正直ほんとにここでバイバイされたら困るくらい暗いしリキシャがくるとも限らない場所だけど、向こうも駅まで半分くらいまでキコキコ立ちこぎで来て、1ルピーももらえずに帰ることはなかろう。

駆け引き。

「カムカム!」
とにーちゃん。

構わずスタスタ逆走する彼。
あの言葉を言うまでは、この演技を続けないと。

「カムカム!」

スタスタ…

「OK40ルピー!」

はい。モーション終わり。
まったくめんどくさいことさせないで。

よっぽど悔しかったのか、ヒンディーでなんか嘆いてる。
分からんけど。

そして、

「ノーノー50ルピー~♪」

という、歌まで口ずさんでいた(笑)
ちょっとかわいい(笑)

なんとか無事駅に到着。
まったく。

駅は遅れている列車も多いようで人であふれている。
寝ている人の横を牛が通ったりしているカオスな構内。
幸いにも私たちの列車は数分の遅れで到着。

明日無事にゴーラクプルにつきますように…。

—From the present me


オートリキシャがいない日で需要があるならば相場より高くなっても仕方がない気が今はする。
この辺りの毎日、何にいくら払うのが妥当なのか考え戦い続けないといけないのは正直とても疲れるけれど、それでもこれにいくら払いたいのか考え続ける訓練にはなる。
ある程度の相場はあったとしても、自分にとってそれがいくらの価値で交換したいものなのか、が本来の価値価格だもんな。

明日の日記はこちらに続く

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