12-25.06.15『機内、寝られないので』

旅のエッセイ
機内では全く寝られず、日記を書くことにする。彼は隣で夜に備えてぐーぐー寝ている。

格安チケットのため、バンコク直通ではなく、今夜は中国の広州で一度降りて空港泊。
明日の朝、やっとバンコクへ。

空港泊なんてしたことがない。
その辺で勝手に寝ていて、追い出されたりしないのかな……なんて、ちょっと不安。

機内食、最初に出てきたのがピーナッツだけだったので、「えっ、これだけ!?」
と格安だから仕方がないかとがっかりしたけれど、そのあとにちゃんとした機内食が出てきた。しかも、思いのほか美味しい。
ありがたいなあと思いながら、しみじみ食べる。

機内は中国語ばかり。
乗っている人も中国人が多く、いよいよ「日本語のない世界」
へ入った実感がじわじわと。

寝ている彼を横目に、ひとり不安になったりして。
いよいよ、ほんとうに出発したんだなあ。

20時半着予定が、天候不良で旋回中。
外はピカピカと雷が光っていて、かなり荒れている。
まさか、旅の最初からこんな展開になるなんて。


思えば、国内旅行すらほとんどしたことがなかった。
飛行機に乗ったのも、当時はまだ3回ほど。

大きなバックパックを背負って、耳に飛び交う言葉が少しずつ異国語になっていくなか、不安だけがどんどん膨らんでいった。

そんなとき、となりではぐっすり眠る元夫。(当時の彼)
今思えば、旅の最初からずっと彼はマイペースだった。
私がひとりで不安になっているのに、隣では夢の中。

たぶんこの日記は、異国での驚きもそうだけど、彼への驚きや唖然、そしてぼやきがたくさん詰まっていたと思う。

あまりにもお聞き苦しい部分は、ちょっとだけ整えながら。
それでも、13年前の「私」の気持ちにそっと寄り添っていきたい。

初日はまだまだ終わらない。
洗礼を受けた夜の出来事はこちらに続く

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