12-25.10.27『ビームベートカーへの道』

旅のエッセイ
  このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
  当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
  あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.10.27『ビームベートカーへの道』

今日は早起きして2003年に世界遺産にも登録された石器時代から紀元後の歴史時代に描かれた岩絵の見られるビームベートカーの岩窟群へ…
と思っていたのに昨日の疲れで寝坊。
宿を出たのは9時過ぎに。

とはいえ、9時を過ぎているというのに、どこのお店もやっていない!
朝ごはんも食べられないまま、ビームベートカーまで行くというバスを奇跡的に道でひろって乗り込む。
30分ほどして、バスの添乗員に「ここだ!」と降ろされる。

地球の歩き方曰く、1時間半くらいかかると思うんだけど…。
「こっからあっちの道に渡ってバスの乗り換えだ!!」

えー!ビームベートカーまで行くって言ったじゃーん!(涙)
どうやら乗り換えが必要らしい。
またもや何もない知らない場所で置き去りにされる。
途方に暮れていると、「どうしたんだ?」と、少し英語の話せるインド人が声をかけてくれた!!

捨てる神あれば拾う神あり(意味あってる?)
ボーパールでは英語が話せる人の存在が本当にありがたい。
「これを見せれば大丈夫!」
と、多分「ビームベートカーに行きたい」とヒンディーで書いてくれた!!

インドって、こういう親切な人がたくさんいるから、ぼったくられたり、嘘つかれたり、バカにされたり、アンビリバボーなことが起こりまくったりしても、なんとかなる、とか、なんだかんだインド好きとか思えるんだよなぁ。
本当に感謝。

バスを待っている間に飲んだチャイ屋にも多く取られてしまったけど、おかげさまでチャイができるのを待っている時にまた親切な人が声をかけてくれて、
「あのバスだ!」と教えてくれた。

今度こそ無事に着けそうだ。
1時間ほど走って
「ここだ!」
と言われた場所は周りにほとんど何もなくて(笑)

見渡す限り自然がいっぱい。
大好きな雰囲気!
こういうのこそ私たちっぽい!

ただ、地球の歩き方にはレストランがいくつかあるって書いてあったのに、高そうなレストランが一軒あるのみ。
今日はまだ、朝からチャイ屋で買ったクッキーしか食べてない。
クッキーエネルギーのみで頑張って3キロ歩くしかない。

そう。ここから岩窟群まで3キロ。
 
普通石窟群へはバスでは行かず、ツアーを組むかリキシャをチャーターして車でくる場所。

汗だくで歩いている中、何度お金持ちのインド人の車に抜かれたことか。
でもツアーで行くと1000ルピーを超えるし、リキシャチャーターも500ルピー以上かかりそうだし、ここをバスと歩きで乗り切るのが貧乏バックパッカーの私たちらしいじゃない。
 
と、歩いているのは私たちだけの道を、プープー言われて車にぬかされながら頑張って歩く。
 
岩窟群に着いたときの嬉しさったらなかったけど、また帰りも歩くと思うとちょっと憂鬱。

岩窟群は思ったよりは絵が少なかったし、消えてしまっているものも多かったけれど、石器時代に描かれたものなのかぁと思うと感慨深いものがある。
世界遺産なんだけど、たいして柵とかついてないから、インド人観光客がおもいっきりフラッシュ撮影したり触ったりしていて。
 
管理側も観光客も保護する気なし(笑)おい!

帰りも頑張っててくてく歩いたよ。
仕方が無いから高いレストランで少しだけご飯食べたよ。

バス停でもないところでインド式にバスをヒッチハイクしてみたら奇跡的にボーパール行きだった。
お腹空き過ぎて、ボーパールの憩いの場、フードコートで大量に食べた。幸せ!!
 
このフードコートは英語でもメニューが書いてあるし、安くはないけれどコストパフォーマンスがいいし、接客もしっかりしてるし、ボーパールの中での唯一の憩いの場です。
美味しいごはんって何にも変えられないエネルギーだよね、ほんと。
HP回復!

  —From the present me


この時なんでこんなに頑張れたんだろう。
頑張る頑張らないの問題じゃなくて、もはや歩くしかなかったからかな。
やるしかなければやるしかないのに、やらなくてもいいと途端に息切れしてしまう。
全速力で走り始めて途中で息切れしてしまうのは、ゴール設定をしていないからかな、という当たり前のことに最近気づいた。
今どこに向かって走ってるんだろうな。そろそろちゃんと自分でゴールを立てなきゃ。

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