このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。
12-25.10.24『せっかくの日に。ぽたぽた落ちる涙』
とくに何があるわけでもないのに、療養もかねて長居しすぎたプシュカルに別れを告げるべく、鉄道チケットがとれる代理店へと向かう。
アフマダーバードかボーパールへ行きたかったのだけど、アフマダーバードは「ノットポッシブル」とのこと。ボーパールへ行くことに。
ただ、料金を聞くと2人で1000ルピー。
思ったより感覚的にはかなり高い。
「高いから考える」と彼がお決まりの値切り交渉に入って900ルピーまで下がったものの、まだ高いから考えると言うと、
「何言ってるんだ!!あと8席…あぁっ!あと7席しか空いてないんだぞ!」
「これは数分で締め切るぞ!朝は1人650ルピーだったチケットが、今のこの時間だから安くなっているんだ。ラッキーな時間だ!」
とめちゃくちゃ力説してくれて、最初はお決まりの…と疑ったものの最終的に納得。
チケットを取り終えた段階では残り2席に。
私たちの感覚だと、列車の値段なんて同じ距離なら同じ値段じゃないの?と思うけどどうやら違うらしい。
「これがインドだ!」と。
お祭りの日の列車の予約は半年先でも100人以上ウエイティング(キャンセル待ち)が出ていたり、日や時間によって値段が違うのも見せてくれた。
さすがインド。
疑ってごめんなさい。
明日15時間かけてボーパールへ行きます。
そして約束の17時にパンジャビドレスの仕立てをオーダーしたお店にいったものの、予想通りまだ準備ができておらず、30分待つ。
店主が仕立て屋に取りに行き帰ってきて仕上がった物を見てビックリ!
「なんでそうなるの?!」
ちょうど首元にブイ型に柄が前後にある布だったのに、首の空き部分がずれて作られてる!!
いやいやいや…
センスなさすぎでしょ!
ってか許せない!!
すっごく気に入った布だったのにこんなにされて、布代返せ!ってレベルにひどい。
それでもグッドグッドとか言ってくるからさらに腹立つ。
その店にいた他のインド人にも、「これノーセンスすぎるよね?!」と聞くと、「これはズレてるね」と失笑&同感してくれるレベル。
もう作られてしまったものは仕方が無い…と私は諦めモードだったのだけど、彼は負けない。
またしても戦闘モード。
たしかに布代返して欲しいよ。
でもこんなにクレーマーみたいに文句つけてかつ、せっかく今日はお祭りなのにどんどん時間がなくなっていくこと、そしてなによりすごく気に入って楽しみにしていたこの服がこんなになってしまったことが悲しくて彼が戦ってる横でぽたぽたと落ちる涙。
日本で考えたら相当安い値段で仕立ててもらっているのだから…と思えなくもないけど、でも布代に期待もかかっているのだから責任もって作って欲しい。
帰ってから着てみたらピチピチすぎるし。
たしかにタイトとは言ったけど、布質考えたらさぁ…ってまた文句が出てきていけないけど、
おい、
だよ。
デリーはほんとに職人だったんだなぁ。さくさくきちんと時間通りに素敵に仕上げてくれて。
散々バトって半額になったけど納得いかないくらいの残念な気持ち。そして作ってもらったドレスのズボンを忘れてきたという痛恨のミス。
また明日行かなくては…
何を買うにも
違うだろ!って毎回値段にツッコミを入れるのにも疲れたし。
私はあまり値切るのも嫌だけど、実際めっちゃもってくるから値切らなきゃ損するだけだし。
物の価値が分からなくなってくる。
日本で思考停止していた分、考えることが多くて、戦うことも多くて、芯がないと倒れてしまいそうで、少し疲れた。
せっかくのお祭りの日だったのになぁ…。
「芯がないと倒れてしまいそう」
実際にインドの人がインドで生きている時はどういう気持ちなんだろう。
日本は芯がなくても生きていける、というのもまた幻想だとも思うけれど。
アフマダーバードかボーパールへ行きたかったのだけど、アフマダーバードは「ノットポッシブル」とのこと。ボーパールへ行くことに。
ただ、料金を聞くと2人で1000ルピー。
思ったより感覚的にはかなり高い。
「高いから考える」と彼がお決まりの値切り交渉に入って900ルピーまで下がったものの、まだ高いから考えると言うと、
「何言ってるんだ!!あと8席…あぁっ!あと7席しか空いてないんだぞ!」
「これは数分で締め切るぞ!朝は1人650ルピーだったチケットが、今のこの時間だから安くなっているんだ。ラッキーな時間だ!」
とめちゃくちゃ力説してくれて、最初はお決まりの…と疑ったものの最終的に納得。
チケットを取り終えた段階では残り2席に。
私たちの感覚だと、列車の値段なんて同じ距離なら同じ値段じゃないの?と思うけどどうやら違うらしい。
「これがインドだ!」と。
お祭りの日の列車の予約は半年先でも100人以上ウエイティング(キャンセル待ち)が出ていたり、日や時間によって値段が違うのも見せてくれた。
さすがインド。
疑ってごめんなさい。
明日15時間かけてボーパールへ行きます。
そして約束の17時にパンジャビドレスの仕立てをオーダーしたお店にいったものの、予想通りまだ準備ができておらず、30分待つ。
店主が仕立て屋に取りに行き帰ってきて仕上がった物を見てビックリ!
「なんでそうなるの?!」
ちょうど首元にブイ型に柄が前後にある布だったのに、首の空き部分がずれて作られてる!!
いやいやいや…
センスなさすぎでしょ!
ってか許せない!!
すっごく気に入った布だったのにこんなにされて、布代返せ!ってレベルにひどい。
それでもグッドグッドとか言ってくるからさらに腹立つ。
その店にいた他のインド人にも、「これノーセンスすぎるよね?!」と聞くと、「これはズレてるね」と失笑&同感してくれるレベル。
もう作られてしまったものは仕方が無い…と私は諦めモードだったのだけど、彼は負けない。
またしても戦闘モード。
たしかに布代返して欲しいよ。
でもこんなにクレーマーみたいに文句つけてかつ、せっかく今日はお祭りなのにどんどん時間がなくなっていくこと、そしてなによりすごく気に入って楽しみにしていたこの服がこんなになってしまったことが悲しくて彼が戦ってる横でぽたぽたと落ちる涙。
日本で考えたら相当安い値段で仕立ててもらっているのだから…と思えなくもないけど、でも布代に期待もかかっているのだから責任もって作って欲しい。
帰ってから着てみたらピチピチすぎるし。
たしかにタイトとは言ったけど、布質考えたらさぁ…ってまた文句が出てきていけないけど、
おい、
だよ。
デリーはほんとに職人だったんだなぁ。さくさくきちんと時間通りに素敵に仕上げてくれて。
散々バトって半額になったけど納得いかないくらいの残念な気持ち。そして作ってもらったドレスのズボンを忘れてきたという痛恨のミス。
また明日行かなくては…
何を買うにも
違うだろ!って毎回値段にツッコミを入れるのにも疲れたし。
私はあまり値切るのも嫌だけど、実際めっちゃもってくるから値切らなきゃ損するだけだし。
物の価値が分からなくなってくる。
日本で思考停止していた分、考えることが多くて、戦うことも多くて、芯がないと倒れてしまいそうで、少し疲れた。
せっかくのお祭りの日だったのになぁ…。
—From the present me
「芯がないと倒れてしまいそう」
実際にインドの人がインドで生きている時はどういう気持ちなんだろう。
日本は芯がなくても生きていける、というのもまた幻想だとも思うけれど。


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