12-25.10.20『あわや連行。ジャイプル最後の日』

旅のエッセイ
このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.10.20『あわや連行。ジャイプル最後の日』

わりと好きだったジャイプルに別れを告げ、例のごとくローカルバスで次なる行き先プシュカルに向かうべく、バススタンドへ。

着くなりバスに売込みに来るチャイ屋が、あれよあれよとプシュカル行のバスまで案内をしてくれ、荷物を入れるのも手伝ってくれ、チャイを買わずにはならない状況に。

ガバメントバスは今まで車内でバス代を支払いをしていたのだけど、チケットが必要とのこと。
なぜかバスの添乗員が代わりに買ってきてくれた。

3時間の道のり1人112ルピー。
ちょっと高い気がする…。
でもインドのバス代基準て良くわからない。

ガバメントバスなのにエクスプレスとか書いてあるし、かなり疑わしいけれど、このバスの添乗員が買ってきてくれたのだし、もはや信じるしかない。

出発まで時間があったのでタバコを吸いに一度バスを降りた彼。
どんどん混んでいく車内で1人待つ。
エンジンがかかる。
バスが動く。


あれっ?!彼もどってこない!!

窓からのぞくと、警官三人に囲まれている。
えー、なにごと?!
警官を振り払いバスに乗り込む彼。
着いてくる警官。

「バスターミナル内は禁煙だ!罰金200ルピー払え!!」
「ここでたばこ吸って良いかインド人に聞いたら、いいと言われたから吸ったんだ!なんで払う必要がある!」


うわ~、めんどくさ!

インド人に聞いても、内容がよく分かってないときはokって言う人多いから、誰か他に吸ってる人がいるか見てからにすればよかったのにね…。
体調悪くてそんな余裕はなかったようだ。
インドは禁煙地帯が多くて、しかも禁煙だって傍目には分からない場合も多い。
ダラムサラも、一帯禁煙らしく、見つかったら500ルピーの罰金だよ!とレストランのおばちゃんが教えてくれたけれど、そんなのどこにも書いてないし。
まぁ、千代田区と同じか。
たばこはトラブルのもとだからそろそろほんとにやめればいいのに…。

とはいえ、私も抵抗。
「ノースモーキングなんてどこにも書いてないし、ヒンディーで書いてあったとしても読めないし、インド人に聞くしか私たちに方法はないのに、どうやって分かるの?」

それでも警官は聞く耳をもたず、
「200ルピー200ルピー」
しか言わない。
もちろんその間ずっとバスはストップ。

払わないでいると、彼を力ずくで連行しようとしてきた!!
むー!!
みなさんをお待たせてるし仕方ない。
ちょっと解せないけれど仲介に入ってくれた英語の話せるお姉さんも、
「ここは禁煙だから罰金は仕方ないわ。」
と言っているし、200ルピーを払う。

私たちの二食分のご飯代が消えた(涙)
わりと好きだったジャイプルの最後が残念な終わり方に。
やめればいいのにね、たばこ。

—From the present me


なぜか全然覚えていなかったこのエピソード。不思議と日記を読んでも何も思い出さない。
結構激しい状況だろうし、この後の空気地獄だったろうに。不思議。
もはや毎日が戦いだから、警察に連行されかけてるインパクトも薄かったのかな。

明日の日記はこちらに続く

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