12-25.10.18『インドの適当さが教えてくれたこと』

旅のエッセイ
このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.10.18『インドの適当さが教えてくれたこと』

昨日バススタンドから宿へと連れて行ってくれたオートリキシャのおっちゃんが、
「おれが一日チャーターでどこへでも連れてってやる!」
としつこいので依頼。

420ルピー。
値段としてはチャーターならば妥当だけれど、私たちにとっては高いから歩きやバスで周る、と言っても全く分かってくれず、
「たいして見ずに終わったらなんのためにジャイプルに来たんだ?」
「高いというが、宿は一泊いくらなんだ?宿代より安いじゃないか!」
とか、最もなことを言って譲らなかったなかったおっちゃん。

分かるけど!分かるけどそういうことじゃないの!!

…でも結局負けた(笑)

そして案の定、今日も頑固だった。
「ここに行きたい」と言っても、おっちゃんの中に“オススメ順路”があるらしく、なぜかおっちゃんセレクトツアーに変更されたり、バックマージンのある店に連れていかれたり。
めんどくさい(笑)

しまいには、おっちゃんに連れてかれた店でシルバーリングを買ったにも関わらず、サイズを直す時間待つのが嫌になったのか、他の用事が入ったから歩いて帰れとか言い出す始末!
適当すぎるだろ!
宿まで送り届けてミッションコンプリートだろってことで、ショップから宿までのリキシャ代を差し引いてお支払い。
まったくもう!

観光の途中で、出会った日本人男性が、
「昔はバックパッカーだったけれど、今は時間がないから車をチャーターして、短期で周っている。時間がないとお金で時間を買うしかない。」
と、せっかく観光にきていても少しさみしそうだった。

道を歩いて色んなことに遭遇したり、交渉したり、ムカついたりするのが楽しいのに、やっぱり観光だけで来てもそういう楽しみはなくなっちゃうもんね。
年をとるともう安宿には泊まれないって、一泊1000ルピーの宿に泊まってるって言っていたけど、私たちはどうなんだろう。
年とってもそこはケチるかもしれないなぁ。

旅には色々なスタイルがあって、同じ街にいて同じ場所を観光しても、感じ方もかかるお金も全く違うから面白い。
楽しくなるか楽しくないかも自分たち次第。
だから面白い!

インドはキー!なんじゃそら!っていうのがぶっ飛びすぎてたり、言い訳がお茶目だったりして憎めない感じが好きです。

—From the present me


毎日めちゃくちゃ文句言ってるけど、なんだかんだこのやりとりを楽しんでいた。
色々適当すぎて、今まで思っていた「しなければならない」はなんだったんだろう、と思った。
本当に しなければいけない ことなんてなくて、自分がそれを選んでるだけ。

明日の日記はこちらに続く

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