12-25.10.08『ノーヒンディー』

旅のエッセイ
このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.10.08『ノーヒンディー』

今日はこの前迷い子って行けなかった滝へ!
思っていたよりもさらに手前で道間違えてた(笑)

この前の苦労はいったい…。ってほど長閑な道だった。
滝は観光客でいっぱい。
なにやら儀式的な事も行われてた!

ほんとダラムサラはインドって感じが一切しない!

そしてなぜだか今日はやたらと子連れの物乞いかぁちゃんに声をかけられる。
いつもより物乞いかぁちゃん自体が多い気がする。

ここの人たち、金はいらない、食べ物を買ってくれっていうんだけど、同じじゃん!

いつもはノーノーしか言わないんだけど、あまりに多いししつこいから、
もっとお金持ちそうなインド人がいっぱいいるでしょ!
って英語で言ったら、ノーイングリッシュ。
と言われたので、ノーヒンディー。
って言ったら、なんとなく仲良くなった(笑)

今度からただただ突っぱねずに日本語でもいいからちゃんと何か言おうかな。

  —From the present me


この時の私は「お金ちょうだい」も「食べ物ちょうだい」も同じじゃん、って言ってるけど、今はちょっと違う気がして読んでいて違和感があった。

どうすればよかったんだろうな、と思うと、もし自分もご飯を食べるタイミングだったとしたら、
「じゃあ一緒に食べる?」って、少しお裾分けしながらお話しできたらよかったのかもしれない。

でもそれも自分に余裕がないとできない。
この時の私は物理的にまったくお金がないわけではないにせよ、旅の期間を考えるとお金の余裕はなかった。

人に優しくできたり、人と話せることが財産だと思えるのは、
自分が困らないお金と食べ物と、雨風をしのげる場所があるからこそ。

日本に帰ってきたあと、めちゃくちゃ貧乏だった時期に一番自分が嫌になったのは、
友達にプレゼントを買おうと思った時に「500円で何かいいものないかな」と、
何をあげたいかじゃなくて、値段で買うものを探し始めていたこと。

豊かな気持ちでいられる状態を保っていることって、大事だよな。

明日の日記はこちらに続く

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