このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。
当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。
12-25.10.02『歯磨きの樹と豊かな発見』
インドには「歯磨きの樹」がある。枝をかじって出てくる汁で歯を磨く。
はじめは苦くて吐き出したくなるけれど、慣れると歯がつるつるになり病みつきになる。
ただ、この枝は最後に噛み切らなければならない。
硬い物をほとんど食べない私にとっては難しく、ひたすら「かみかみ」して終わりなき旅をさまよっていた。
でも今日発見したのだ。
犬歯で噛み切ればいいんだね!!
歯って本当によくできている。
使い方を知らないだけで、身体にはまだまだ眠っている力がある。
自然とともに生きることで、それを思い出せるのだ。
便利な機械や化学製品に囲まれる生活では、身体を十分に使いきれない。
それに比べて、歯磨きの樹は不便だけれど、自然で安全。
硬くて苦くて時間もかかるけれど、どんな歯磨き粉よりも歯がつるつるになった。
フッ素のような有害なものも入っていない。
便利さの中で多くを失い、知らず知らずのうちに有害なものを取り入れている。
ゼロにするのは難しくても、向き合うことはできるはず。
じゃあ今日本で歯磨きの樹で磨けるか、というと想像ができないのだけれど、それでも歯磨きの樹での歯磨き経験はとても豊かなものだった。
今かけているお金や時間の使い方よりももっと豊かなものはたくさんある。いろんなものを消費し過ぎているし、たくさんインプットしなくてはいけない気持ちになり過ぎている。
最近一人でご飯を食べるときのコツは「うま!」って言いながら食べること、と言っている方がいて、実践してみたら本当にご飯が美味しくなった。
うまって言おうと思うと美味しいポイントを探すから。それに、美味しいところを探し続けようとするには濃い味付けのものよりもシンプルな味の方が何度も微細な旨いポイントや味の変化が見つけやすくて、外食するよりよっぽど家で食べる納豆ご飯やおじやなんかの方が最後の一口まで味わえるという発見もあった。
味付けが濃いと、最初の一口はおいしいけれど、そのあとももずっと同じ感覚にしかならない。
今あるシンプルなものや素材そのものでも十分なのに、過多に溺れながらそれでも足りないと叫んで疲れてしまう。
心もからだもゆるっとゆるめてぼーっと生きたい。
はじめは苦くて吐き出したくなるけれど、慣れると歯がつるつるになり病みつきになる。
ただ、この枝は最後に噛み切らなければならない。
硬い物をほとんど食べない私にとっては難しく、ひたすら「かみかみ」して終わりなき旅をさまよっていた。
でも今日発見したのだ。
犬歯で噛み切ればいいんだね!!
歯って本当によくできている。
使い方を知らないだけで、身体にはまだまだ眠っている力がある。
自然とともに生きることで、それを思い出せるのだ。
便利な機械や化学製品に囲まれる生活では、身体を十分に使いきれない。
それに比べて、歯磨きの樹は不便だけれど、自然で安全。
硬くて苦くて時間もかかるけれど、どんな歯磨き粉よりも歯がつるつるになった。
フッ素のような有害なものも入っていない。
便利さの中で多くを失い、知らず知らずのうちに有害なものを取り入れている。
ゼロにするのは難しくても、向き合うことはできるはず。
—From the present me
じゃあ今日本で歯磨きの樹で磨けるか、というと想像ができないのだけれど、それでも歯磨きの樹での歯磨き経験はとても豊かなものだった。
今かけているお金や時間の使い方よりももっと豊かなものはたくさんある。いろんなものを消費し過ぎているし、たくさんインプットしなくてはいけない気持ちになり過ぎている。
最近一人でご飯を食べるときのコツは「うま!」って言いながら食べること、と言っている方がいて、実践してみたら本当にご飯が美味しくなった。
うまって言おうと思うと美味しいポイントを探すから。それに、美味しいところを探し続けようとするには濃い味付けのものよりもシンプルな味の方が何度も微細な旨いポイントや味の変化が見つけやすくて、外食するよりよっぽど家で食べる納豆ご飯やおじやなんかの方が最後の一口まで味わえるという発見もあった。
味付けが濃いと、最初の一口はおいしいけれど、そのあとももずっと同じ感覚にしかならない。
今あるシンプルなものや素材そのものでも十分なのに、過多に溺れながらそれでも足りないと叫んで疲れてしまう。
心もからだもゆるっとゆるめてぼーっと生きたい。
明日の日記はこちらに続く。


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