12-25.08.27『ファーザーを超えた今』

旅のエッセイ
  このエッセイは、13年前に書いた旅の日記を、現在の私が振り返りながら綴っている連載です。
  当時の彼(いまは元夫)と一緒に出た、東南アジアからインドまでの貧乏バックパッカー旅。
  あの頃の自分に、今の自分の言葉を重ねていくような、ふたつの時間をめぐる記録です。

12-25.08.27『ファーザーを超えた今』

朝ごはんはダイコンの煮物と、めんつゆラーメン。彼がほとんど作ってくれて、私はひたすらアク取り担当。地味だけれどコツコツ作業は得意。
日本だったらシンプルなご飯だけど、ダイコンの優しさが海外でのパンチの効いた味付けの中ではいっそう胃にしみわたる。

しっかりパワーチャージして、インド大使館へ。ビザランのスタンプコピーを提出。
ついでにビザもできてたりするのでは…?と期待したけれど、結果は「明後日また来て」。
言われた日にちから早くなる、なんて都合の良いラッキーはおきなかった。
もう大使館くるの4回目。

こんなにお金も労力もかけてビザが取れなかったら笑えない。
やけになって住所欄に「ガンジス川」と書いたのが悔やまれる。

大使館までは歩いて1時間、チャリで20分弱。地味に遠い。
彼は自転車に乗っているとやたらとチリンチリン鳴らす。小学生みたい。

帰り道に立ち寄ったお寺で、日本人の奥さんがいるというタイ人のおっちゃんに捕まり20分立ち話。
おっちゃんは彼の白髪を見て「38に見える!」と爆笑し、私には何度も「ユアドーター?」と聞いてくる。
彼とは同い年なのに、まさか娘扱いとは…。
妹は言われることがあったけれど、苦労して老けたのかな。

  —From the present me

「38に見える」と爆笑されていた年齢を、今の私は越えてしまった。
見た目はさておき、中身はどれくらい変わっただろう。
今年40、当時27、そこからさらに13年前は中学生。どの13年を切り取っても、その時全く想像もしていなかった自分を生きている。
ノストラダムスも2000年問題も怯えてたあの頃。2025年の7月の予言は気にせず呑気に過ごしていたから、少しは成長したかな。

明日の日記はこちらに続く

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